【新潟】『P100 Pro』農業用ドローン:株式会社ドローンテクニカ
2025/09/19
ドローンが温室の救世主に!
夏の暑さ対策、遮熱剤散布の最前線レポート
新潟県で農業用ドローンの導入支援を行う、弊社の一次代理店『株式会社ドローンテクニカ』と二次代理店『アグリ コ・クリエーション』が、共同で温室の遮熱対策を実施しました。今回は、XAG社の農業用ドローン『P100 Pro』を使用し、1.6haもの広大な温室屋根へ遮熱剤を散布した事例について、株式会社ドローンテクニカの猪俣(いのまた)さんにお話を伺いました。
Q.温室への遮熱剤散布は、どのような経緯で始まったのでしょうか?
近年、夏の気温上昇は深刻で、作物への高温障害も懸念され、温室内の温度を栽培に適した状態に保つことが大きな課題となっています。従来から空調を利用されていましたが、電気代のコストが経営を圧迫します。そこで「ドローンを使って効率的に遮熱剤を散布できないか」というご相談をいただいたのがきっかけです。
Q.遮熱剤は、どのタイミングで散布・除去するのですか?
夏場の高温対策として春に遮熱剤を散布し、日差しが弱まる秋には専用の除去剤を散布するというサイクルで、2024年から運用しています。
これにより、夏は涼しく、冬は貴重な太陽光をしっかりと取り込めます。
【散布実績】
対象: 温室屋根(1.6ha)
2024年:4月・5月:遮熱剤を2回に分けて散布 (レディヒート)
10月:除去剤を散布(レディクリーン)
2025年:3月:遮熱剤を散布(レディヒート)
秋頃:除去剤を散布予定(レディクリーン)
【成功の鍵】詰まり知らずの「アトマイザー」
【安全対策】障害物を避ける高精度な自動飛行
Q.飛行時に特に注意した点は何ですか?
温室の屋根には突起物やアンテナなどがあるため、接触しないよう細心の注意を払いました。安全を確保するため、作業高度は屋根の最も高い部分から5m上空に設定し、ドローンの自動飛行機能を活用しました。
XAG社の農業用ドローンは、事前に飛行ルートを設定すれば離陸から着陸までを高精度で自動実行してくれるため、障害物を回避しながら安全かつ効率的に作業を進められます。
【作業詳細】1.6haの広大な屋根に2,000Lを散布
Q.具体的な散布量や作業時間を教えてください。
1.6haの屋根全体に、使用したレディクリーンの場合、剤と水を1:5の割合で希釈した液剤を約2,000L散布しました。均一な効果を得るため、同じルートを2回飛行し、重ね塗りを行っています。この作業により、遮光率10%、遮熱率20%の効果が確認できました。
希釈液の準備から散布完了まで、作業は朝から夕方まで約1日かかりました。飛行自体は自動ですが、散布量が多いため、液剤の補充やバッテリー交換には相応の時間が必要となります。
【効率化の工夫】バッテリー追加で作業をスムーズに
Q.バッテリーは何本で運用しましたか?
2024年は4本のバッテリーを充電しながら運用しましたが、毎回50L満載で散布するため消費が激しく、充電待ちで作業が滞る場面がありました。そこで2025年からは2本追加し、合計6本体制で臨んだところ、待ち時間がなくなり非常にスムーズに作業を進められるようになりました。
【まとめ】ドローン活用の可能性は、農地の上だけではない
今回お話を伺った温室屋根への遮熱剤散布は、農業用ドローンが農薬や肥料の散布という枠を超え、新たな価値を生み出すことを示す素晴らしい事例です。
季節に応じた遮熱剤・除去剤の散布は、農業用ドローンの年間稼働率を高め、農業経営の改善に大きく貢献します。これまで活用されていなかった領域で農業用ドローンの利用が広がり、日本の農業が抱える課題解決に繋がっていくことを強く期待しています。
■導入事例のご協力をいただいた方はこちら(画像・情報 提供)
[一次代理店]株式会社ドローンテクニカ(新潟エリア対応)
担当:猪俣(いのまた)さん
https://www.drone-technica.com/
[二次代理店]アグリ コ・クリエーション(新潟エリア対応)
担当:原(はら)さん

